アンティーク9金クォーツブローチ(レースピン)
1890年頃のイギリス製。「レースピン」と呼ばれる、小さなアンティークブローチです。レースピンは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて英国で流行した小さなブローチで、名前の通り、繊細なレースや薄手の布に留めても負担が少ないように作られています。
当時の女性たちは、コルセットを外した軽やかな「ティーガウン」や「昼用ドレス」を、午後のお茶会や、室内での読書、手芸の時間など、用途や気分に合わせて日に何度も着替えることがあたりまえでした。そんな日常の装いをさりげなく引き立てる存在として、華やかさと実用性を兼ね備えたレースピンは重宝されていたのです。レースピンは、繊細なショールを留めたり、薄手のブラウスの襟元に添えたりと、自分のためのおしゃれを楽しむ小さな装身具でした。
ブローチは、縦1ミリ×横21.5ミリと小ぶりですが、クォーツは縦12.5ミリ×横17ミリ×厚さ9ミリと厚みがあり大粒です。黄昏色を思わせるやわらかな黄色がとても綺麗。地金は9金。ピンクを帯びた9金で、柔らかな色味がクォーツの透明感と調和しています。ピン部分のみ、硬く丈夫なメタル素材が使われており、これは当時のブローチに多く見られる実用的な仕様です。
スカーフのワンポイントに、襟元に、あるいは胸の真ん中に着ければペンダントのようにも見え、大きなクォーツの煌めきが、上品なアクセントになります。
◆ 素材 9金、クォーツ
◆ 年代 1890年頃
◆ 国名 イギリス
◆ サイズ 縦18ミリ×横21.5ミリ
◆ 重量 4グラム
ブローチに「9ct」と9金の刻印入り。アンティーク9金クォーツブローチは良い状態です。