ホールマークとは?



イギリスのジュエリーには、小さな王冠のマークや数字、アルファベットがまるで暗号のように製品そのものに打たれています。これらは、貴金属の種類(シルバー、ゴールド、プラチナ、パラジウム)、貴金属の純度、産地(検査を受けた場所)、年代、製造メーカーを示すもので、総称してホールマークと呼ばれています。イギリスのホールマークの歴史はとても古く、1300年頃にまでさかのぼります。

 

アンティークジュエリーの場合、ホールマークや刻印がまったく入っていないジュエリーもよく見かけます。また、古いジュエリーによく見られるのは、貴金属の純度や種類だけが打たれた物です。例えば、イギリスの18金ジュエリーだと「18」または「18CT」、プラチナだと「PT」「PLAT」。アメリカの14金ジュエリーだと「14K」などです。これらの刻印は正式にはホールマークとは呼びませんが、日本ではそれもホールマークと呼んでいる場合があります。

 

ホールマークや刻印がまったく入っていないアンティークジュエリーがある理由として、経年劣化により薄れてしまった、過去のサイズ直しにより刻印が消えてしまった、刻印が打てない程小さくてデリケートなジュエリーやオーダーメイド品で刻印を最初から打たなかった、など理由も様々です。

 

イギリスでは、現在も貴金属にホールマークを打つことが法律で定められていますが、1グラム以下の小さなジュエリーには打刻しなくてもよいことになっています。

 

Ringieではイギリスの他に、フランス、ヨーロッパ、アメリカのアンティークジュエリーを扱っていますが、刻印事情は国によって大きく異なります。フランスの刻印でよく見かけるのは、18金ゴールドを示す「鷲の頭」の刻印ですが、イギリスと同様に刻印がまったく入っていないアンティークジュエリーもあります。フランスのゴールドジュエリーの場合、「鷲の頭」は18金以上となり、ゴールドの割合を計るゴールドテスターで調べてみると、20金近いこともよくあります。また、時々出会えると嬉しくなるのが「馬の頭」のホールマークです。「馬の頭」のホールマークは、フランスで1838年から1919年の間のみ一部のゴールド製品に使用されたホールマークで、とても数が少ないのです。

 

アメリカでは、正式な刻印制度が1906年にしか始まっていないため、それ以前のゴールドジュエリーには刻印が入っていないのが普通です。

 
 
ホールマークの意味(イギリス)

例1:イギリスホールマーク

 
ホールマークの意味(イギリス)

例2:イギリスホールマーク

 
ホールマーク(フランス)鷲の頭

例3:フランスホールマーク(鷲の頭)

 

例4:フランスホールマーク(馬の頭)